
9 経理の不正を防止する内部統制①
ポイント41.役割の分担
経理業務における不正を防止するために最も基本となるのが、複数の担当者や責任者が業務を分担する体制を構築することです。現金、預金、郵便切手や印紙などの着服を防ぐためには、これらを取り扱う担当者以外に、それを承認する責任者を定めるなど、少なくとも2人以上の社員が関わるような仕組みを作ることが有効となります。
ポイント42.書類・印鑑の保管と管理
役割の分担と並んで重要となるのが、書類・印鑑などの保管と管理を徹底することです。特に、預金通帳と銀行印、手形用紙と会社印など、2つ揃うと金銭の引き出しが可能になるものは、別々の場所に保管す ることが必要です。また、手形用紙や伝票用紙は、書き損じのものも含めて保存するなど、管理の徹底をはかることが大切です。
ポイント43.資料の精査
不正な支出や経費の水増しなどを発見するためには、資料の精査が有効な方法となります。その際には、担当者が作成した書類や報告だけではなく、通帳や領収書のように第三者が作成した元の資料にあたることや、偽造や変造が容易なコピーではなく、可能な限り原本の確認を行うことなどがポイントとなります。
ポイント44.取引の相手方への確認
取引書類が偽造されていると、資料の精査だけでは発見が難しい場 合もあります。この場合に有効となるのが、取引先や金融機関などの取引の相手方に、直接確認を行うことです。形式的な記載は整っていても、金額や内容におかしい点があるときや、担当者の説明が不自然なときなどは、確認を行うべきであると考えられます。
ポイント45.契約書の整備
契約書は、作成や訂正に当事者双方の押印を必要とする点で、他の取引書類と比べて偽造がされにくくなっています。さらに、取引内容を明確化・記録化することにより、担当者以外の者も取引内容をチェック することができ、リスクを回避・軽減する効果もあります。企業の取引では、可能な限り契約書を作成することが望ましいでしょう。
経理・財務部門のコンプライアンス研修
研修対象者
経理・財務部門の責任者、管理職、従業員など

研修の特徴
・金銭を扱う経理・財務部門としての意識を高めます
・経理・財務部門の不祥事の事例を解説します
・経理業務に関する法律知識を身につけます
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研修プログラム(例)
※研修プログラムの内容の一例を、項目形式でご覧頂けます。
※実際の研修では、専用のテキストを使用して解説を行います。