コンプライアンスの対象

コンプライアンスとは

コンプライアンスの対象

「compliance」という名詞のもとになった動詞「comply」に は、「(要求・命令・規則等に)従う、応じる」という意味に加え、「(基準等を)満たす」という意味もあります。もっとも、「compliance」 という言葉自体からは、何を遵守すべきかは必ずしも明らかではないため、最初に遵守すべき対象は何かということを考える必要があります。

遵守すべき「法令」とは

最初に、遵守すべき対象となる「法令」という言葉の意味について確認することにしましょう。「法令」という用語は、国会が 立法する「法律」と、法律に基づいて行政機関が制定する「命令」を意味します。命令には、内閣が制定する「政令」、内閣 総理大臣が制定する「内閣府令」、各省大臣が発する「省令」や「規則」などがあります。また、コンプライアンスとの関係 では、地方公共団体が制定する「条例」や「規則」等も、遵守すべき「法令」に含めることができるでしょう。

守るべき対象の広がり

もっとも、コンプライアンスにおいて、企業が守るべき対象は、このような公の機関が制定する法令だけにとどまりません。 現代では、企業倫理や各種の社内規程、さらには社会一般の規範やルール等も、企業が遵守すべき対象に含むとする 考え方が一般的となっています。コンプライアンスが、しばしば「法令等遵守」と訳される背景には、このような考え方を意 識的に明らかにしようという視点があるといえます。

積極的な取り組みの重要性

さらに、「遵守」という言葉についても、単に法令等を守ってさえいればよいという消極的な意味にとらえるのではなく、より 積極的な意味を見い出す必要があります。事前規制型の社会から事後救済型の社会への転換が進み、これまで企業の 活動を一律に外側から縛ってきた規制や慣行がなくなることによって、企業には、より自由でダイナミックな活動が可能に なるとともに、それにふさわしいコンプライアンスを自律的かつ積極的に確立することが求められているといえるでしょう。