独占禁止法の私的独占について簡単にわかりやすく解説

私的独占

独占禁止法の私的独占について簡単にわかりやすく解説

私的独占とは

私的独占とは、(i)事業者が、(ii)単独に、又は他の事業者と結合し、若しくは通謀し、その他いかなる方法をもってするかを問わず、(iii)他の事業者の事業活動を排除し、又は支配することにより、(iv)公共の利益に反して、(v)一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいいます。

このうち、(iii) の要件によって、支配型私的独占と排除型私的独占の2つがあります。

排除型私的独占

支配型私的独占は、他の事業者の事業活動を支配することによる私的独占であり、株式取得などにより、他の事業者の事業活動を制約をして、市場を支配しようとする行為が代表例とされています。

排除型私的独占

支配型私的独占は、他の事業者の事業活動を排除することによる私的独占であり、費用を下回る対価設定、排他的取引、抱き合わせ、供給拒絶・差別的取扱い等が典型例とされています。

私的独占に対する制裁

私的独占は、公正取引委員会による排除措置命令の対象になります。独占禁止法の平成17年改正で支配型私的独占が、平成21年改正で排除型私的独占が、それぞれ公正取引委員会による課徴金納付命令の対象とされました。また、刑事罰の対象にもなります。さらに、被害者に対する民事上の無過失損害賠償責任の対象になることにも注意が必要です。

私的独占は、不当な取引制限、不公正な取引方法とともに、独占禁止法の違反行為の3類型の1つとされています。以前は、私的独占が摘発される件数は少なかったのですが、近年では、摘発事例が相次ぐとともに、上記のような制裁の強化が行われているため、注意が必要です。

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