
取適法(中小受託法・旧下請法)の罰則について簡単にわかりやすく解説
取適法(中小受託法・旧下請法)に違反した場合の制裁には、大きく分けて、行政上の制裁、刑事罰、民事上の責任の3つがあります。
行政上の制裁
勧告
公正取引委員会は、遵守事項に違反する行為があると認めるときは、その行為をした委託事業者に対し、必要な措置をとるべきことを勧告するものとされています。勧告の内容としては、次のような例があげられています。
- 速やかにその中小受託事業者の給付を受領すること
- 代金、減じた額、遅延利息を支払うこと
- 代金の額を引き上げること
- 購入させた物を引き取るべきこと
- 不利益な取扱いをやめるべきこと
- 中小受託事業者の利益を保護するための措置をとるべきこと。
刑事罰
取適法では、次のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした委託事業者の代表者、代理人、使用人その他の従業者に50万円以下の罰金が科されています。
- 中小受託事業者に対して法定の明示すべき事項を明示しなかったとき
- 中小受託事業者から求められた法定の書面を交付しなかったとき
- 法定の書類・電磁的記録の作成、保存をせず、又は虚偽の書類・電磁的記録を作成したとき
また、次の違反行為をした者にも50万円以下の罰金が科されています。
- 公正取引委員会等の要請に対して報告をせず、虚偽の報告をし、又は検査を拒み、妨げ、忌避したとき
民事上の責任
取適法は、国が事業者に対する規制や罰則を定める法律であるため、委託事業者が取適法に違反したからといって、ただちに委託事業者が中小受託事業者に対する民事上の責任を負うことになるとは限りません。
ただし、委託事業者の取適法への違反が民法上の不法行為に該当するものとして中小受託事業者に対する損害賠償責任を負う可能性や、取適法に違反した委託事業者と中小受託事業者間の契約が公序良俗に反するものとして無効にされる可能性も否定できません。
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