病院・医療機関のコンプライアンス2 医師法上の医師の義務

病院・介護施設

病院・医療機関のコンプライアンス2

病院・医療機関のコンプライアンスについて、ポイント形式で解説するコーナーです。第2回では、医師法上の医師の義務のポイントを解説致します。

医師法上の医師の義務

ポイント6.医師の義務の種類

医師は、高い公益性を有する職業であり、法律上、名称独占や業務独占、治療行為における広範な裁量が認めらる一方、様々な義務も課されてます。医師の義務は、大きく分けると、医師法や医療法などの法律に基づく義務と、患者との診療契約に基づく義務があります。 最初に、医師法上の定める医師の義務について見ていきます。

ポイント7.医師の応召義務

医師法19条1項は、診療に従事する医師は、診察治療の求があった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない、と定めています。これを医師の応召義務といい、医師が高い公益性を有していることに基づくものであると考えられています。正当な理由の要件について、どのように判断するかが実務上の問題となります。

ポイント8.診断書等の交付義務

医師法19条1項は、診察等に立ち会った医師の診断書等の交付義務を定めています。さらに、診断書については、同法20条が、無診察治療とともに、無診察での診断書等の交付の禁止を定めています。 また、医師が公務所に提出すべき診断書等に虚偽の記載をしたとき は、刑法上の虚偽診断書等作成罪が問題となります。

ポイント9.処方せんの交付義務

医師法22条は、薬剤を投与する場合の処方せん交付義務を定めています。これは、医薬分業制度に基づくものであり、薬剤師法には、調剤の求めに応ずる義務や、処方せんによる調剤等に関する規定が設けられています。処方せんの交付義務については、法律上、様々な例外があるほか、規則による詳細なルールも設けられています。

ポイント10.診療録の記載・保存義務

医師法24条1項は、医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない、と定めています。さらに、 同条2項は、診療録は、5年間保存しなければならないとしています。診療録(カルテ)は、デリケートな個人情報を含むため、情報公開や個人情報保護などの場面で問題となることが多くなっています。

病院・医療機関のコンプライアンス研修

研修対象者

病院、歯科医院、調剤薬局、介護施設その他の医療機関の役員、スタッフなど

病院・介護施設

研修の特徴

・医療機関に求められるコンプライアンスを学びます
・医療事故・医療過誤の予防法や対処法を学びます
・職務上の守秘義務や患者情報の保護を徹底します

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病院・医療機関のコンプライアンスのポイント

※病院・医療機関のコンプライアンスのポイントの一部をサンプルとしてご覧頂けます。
※実際の研修では、専用のテキストを使用して解説を行います。

  1. 医療と法律の関係
  2. 医師法上の医師の義務
  3. 守秘義務と個人情報保護
  4. 患者への説明義務
  5. 医療過誤と行政上の責任
  6. 医療過誤と刑事上の責任
  7. 医療過誤と民事上の責任①
  8. 医療過誤と民事上の責任②
  9. 病院における労働トラブルの防止
  10. 病院に必要なコンプライアンス体制

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