コンプライアンス研修のやり方・進め方

コンプライアンス研修のやり方・進め方

コンプライアンス研修のやり方・進め方

コンプライアンス研修の企画から、研修の実施、研修後のフォローまで、コンプライアンス研修のやり方・進め方を7つのステップに分けて順番に解説しています。これからコンプライアンスに力を入れていきたい経営者の方や、コンプライアンス担当者に任命されたものの何から手を付けてよいか分からないという担当者の方の参考になれば幸いです。

1.コンプライアンス研修の目的を決める

コンプライアンス研修の1つめのステップは、コンプライアンス研修の目的を決めることです。意味のあるコンプライアンス研修を実施するためには、最初に明確な目的を決めることが重要です。コンプライアンス研修の具体的な目的の決め方については、コンプライアンス研修の目的とタイミングのページで詳しく解説していますので、参考にしてください。

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2.コンプライアンス研修を企画する

コンプライアンス研修の2つめのステップは、コンプライアンス研修の企画です。ステップ1で決めた目的を達成するため、具体的な研修の企画を行っていきましょう。コンプライアンス研修の企画にあたっては、具体的な研修の予算、方式、対象者、テーマ、スケジュールを決定します。コンプライアンス研修の目的を決める段階である程度のイメージはできていると思いますが、それをさらに具体的にしていく必要があります。

(1)研修予算を決める

コンプライアンス研修の企画における1つめのポイントは、研修予算を決めることです。コンプライアンス研修は、目先の利益につながらないため、なるべく少ない予算で、と考えてしまいがちです。しかし、実際にコンプライアンス違反が発生した場合、当局から巨額の罰金を科されたり、消費者から批判を浴びてブランドイメージが失墜したり、事業の縮小・撤退に追い込まれる場合も少なくありません。そのため、コンプライアンス研修の予算を決める際には、コンプライアンス違反が発生した場合の損害を念頭においた上で、より長期的な視点から検討を行うことが大切です。

(2)研修方式を決める

コンプライアンス研修の企画における2つめのポイントは、研修方式を決めることです。コンプライアンス研修の方式には、公開セミナー、eラーニング、集合研修などがあります。さらに、集合研修には、社内講師による研修と外部講師による研修があります。それぞれの研修方式のメリットとデメリットを踏まえた上で、研修方式を決定しましょう。それぞれの研修方式のメリットとデメリットはコンプライアンス研修の方式で詳しく解説しています。また、eラーニングの導入を検討されている方は、eラーニング導入・DVD作成コンサルティングのページもご覧ください。

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eラーニング導入・DVD作成コンサルティング
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(3)研修対象者を決める

コンプライアンス研修の企画における3つめのポイントは、研修対象者を決めることです。全ての社員が必要な研修を受けられるようにすることを前提に、個々のコンプライアンス研修の対象者を決定して行きます。個々のコンプライアンス研修の対象者は、役員・取締役、管理職、中堅・一般社員、新入社員などのように階層別で選ぶ場合と、総務・法務部門、経理・財務部門、人事・労務部門、営業・販売部門のように部門別で選ぶ場合があります。さらに、海外展開を行っている企業では、海外子会社・駐在員も対象に含めるようにしましょう。

(4)研修テーマを決める

コンプライアンス研修の企画における4つめのポイントは、研修テーマを決めることです。何らかのきっかけによりコンプライアンス研修を実施する場合は、研修テーマを決めるのは比較的容易であるといえます。一方、定期的なコンプライアンス研修の場合は、研修テーマをどのように決めるのかは重要な課題となります。コンプライアンス研修のテーマの探し方・選び方はコンプライアンス研修のテーマ・ネタの探し方・選び方のページで詳しく解説していますので、参考にしてください。

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(5)研修スケジュール・時間・頻度を決める

コンプライアンス研修の企画における5つめのポイントは、研修スケジュール・時間・頻度を決めることです。

全ての社員が必要な研修を受けられるように、研修スケジュールを組んでいきましょう。個々の研修のスケジュールを組むにあたっては、講師との調整と対象者との調整も必要となります。講師とのスケジュール調整では、資料・教材の準備にかかる時間も考慮して、余裕を持ったスケジュールを立てる必要があります。また、対象者との調整では、例えば、会計部門については決算期、人事部門においては採用時期など、対象者の所属部署の業務の繁忙期を避けてスケジュールを立てることが一般的です。

次に、研修の時間・頻度は、研修の目的を達成するために十分な時間と回数を確保できるように設定する必要があります。短時間で1回のみの研修では、コンプライアンス上の有効性が乏しいため、一定の時間を確保した上で複数回の研修を実施することが望ましいといえます。

コンプライアンス研修計画の作成を検討されている方は、コンプライアンス研修計画作成コンサルティングのページもご覧ください。

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3.コンプライアンス研修の管理表を作成する

コンプライアンス研修の3つめのステップは、コンプライアンス研修の管理表を作成することです。ステップ2で決定した研修の対象者、テーマやスケジュール等を一覧表の形で整理するとよいでしょう。また、作成した管理表は、研修の進捗状況に応じて更新していく必要があります。個々の研修の実施状況や、受講済の社員と未受講の社員が一目で分かるように、適切な進捗管理を行うようにしましょう。

4.コンプライアンス研修の挨拶・案内を送る

コンプライアンス研修の4つめのステップは、コンプライアンス研修の挨拶・案内を送ることです。現在では、研修対象者や部署を対象としたメールによって送付することが一般的です。加えて、社内報や社内の会議等でも告知を行うとよいでしょう。

コンプライアンス研修の挨拶は、会社がコンプライアンスを重視していることを示すため、経営者や担当役員の名前で行うことが望ましいといえます。また、研修の目的についても、わかりやすく記載するとよいでしょう。コンプライアンス研修の案内は、集合研修の場合は会場の場所や交通機関を、オンライン研修の場合は会議システムへのリンクや接続方法をそれぞれ記載する必要があります。また、研修の時間や研修内容の項目をまとめたスケジュールも記載します。さらに、グループワークを実施する場合は、グループ分けや課題なども添付するとよいでしょう。

5.コンプライアンス研修のテキスト・教材・資料を準備する

コンプライアンス研修の5つめのステップは、コンプライアンス研修のテキスト・教材・資料を準備することです。テキスト・教材・資料の内容は研修参加者の理解度やモチベーション、ひいてはコンプライアンス研修自体の成否を左右することになります。また、コンプライアンス担当者にとっても、7つのステップの中で準備に最も時間を要するのが、テキスト・教材・資料の準備です。そのため、コンプライアンス研修において、テキスト・教材・資料の準備は最も重要と言っても過言ではありません。コンプライアンス研修のテキスト・教材・資料の作り方については、コンプライアンス研修のテキスト・教材・資料で解説しております。また、教材・資料作成の外注を検討されている方は、eラーニング導入・DVD作成コンサルティングのページもご覧ください。

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6.コンプライアンス研修を実施する

コンプライアンス研修の6つめのステップは、コンプライアンス研修の実施です。ステップ1から4の準備を踏まえて、いよいよ研修を実施することになります。ここまでのステップで既に研修内容は準備できていると思いますので、ここでは実際に研修を行う際のポイントを簡単に確認しておきます。

研修の目的の再確認

研修参加者には、既にコンプライアンス研修の案内等で研修の目的を告知していると思います。しかし、研修参加者がまだ十分に研修の目的を理解していなかったり、義務としてやむをえず参加している場合もあるので、あらためてコンプライアンス研修の目的を確認しておくことが有効となります。

参加者が参加できる工夫

コンプライアンス研修においては、単に知識や技術を伝えるだけでなく、研修参加者がなぜコンプライアンスの意義を十分に理解した上で、自発的に率先した取り組みを行うことができるようにコンプライアンスへの意識を徹底することが必要です。そのために、講師の講義に加えて、参加者が主体的に参加できるような工夫を行うとよいでしょう。

クイズ形式

講師の講義を一方的に聞いているだけでは、研修参加者のモチベーションがあがりにくい上、その場では何となく分かったつもりになっていても、研修が終わるとすぐに忘れてしまうことも珍しくありません。それを防ぐための有効な手段がクイズです。研修の途中や最後にクイズを行い、研修参加者が楽しんで研修に参加できるようにするとともに、知識を本当の意味で身につけられるようにするとよいでしょう。

グループワーク形式

コンプライアンス研修においては、知識だけでなく、コンプライアンスの考え方を身につけることも必要となります。そのための有効な手段がグループワークです。グループワークにより、他の研修参加者と討議を行ったり、発表などのアウトプットの機会を設けることにより、コンプライアンスに対する理解が深まり、コンプライアンスの考え方を真の意味で身につけることができるでしょう。

7.コンプライアンス研修後のフォローを行う

コンプライアンス研修の7つめのステップは、コンプライアンス研修後のフォローです。コンプライアンス研修は実施して終わりではありません。研修の成果を最大化するためには、研修後のフォローが極めて重要になります。

課題・テスト

コンプライアンス研修の効果を高めるために有効な方法の一つが、課題やテストです。コンプライアンス研修実施後の課題やテストは、研修参加者の研修内容への理解度を確認する意味があります。また、複数回のコンプライアンス研修を行う場合には、研修の間に課題やテストを行うことで、研修参加者の理解度やコンプライアンス意識をより深める効果も期待できます。

感想文・アンケート

感想文やアンケートを実施することも、コンプライアンス研修の効果を高めるための有効な方法となります。実際に現場で働く研修参加者の理解度を深めるために有効な方法となります。感想文やアンケートには、研修内容自体の感想だけでなく、研修参加者が日常の業務との関係で気が付いた問題点や課題の指摘、今後のコンプライアンスへの取り組みについての意見や提案などを記載してもらうとよいでしょう。

コンプライアンス体制の整備

研修の成果を社内のコンプライアンス体制の改善に活かしていくことも大切です。グループワークの中や、感想文やアンケートにおいて、研修参加者から出た問題点の指摘、意見や提案などを踏まえて、コンプライアンスに関する社内規程、マニュアル、システムの見直しなど、コンプライアンス体制の整備・強化を行うようにするとよいでしょう。コンプライアンス体制の構築を検討されている方は、コンプライアンス体制構築コンサルティングのページもご覧ください。

コンプライアンス体制構築コンサルティング 定義・意味、整備・強化の重要性、体制図
コンプライアンス体制構築コンサルティングコンプライアンス体制の定義・意味コンプライアンス体制(態勢)とは、法令等遵守体制と呼ばれることもあり、企業や組織が法令・社内規程・社会的規範等を遵守するための体制のことをいい...

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