コンプライアンス研修の目的 7つの目的とタイミング

コンプライアンス研修の目的

コンプライアンス研修の目的

コンプライアンスの研修の7つの目的

ここでは、コンプライアンス研修の目的を解説しています。7つの目的は相互に密接な関係を有しており、複数の目的のためにコンプライアンス研修を実施することが大半です。これらを参考に自社のコンプライアンス研修の具体的な目的を決めていきましょう。

1.コンプライアンスの基本概念を理解する

コンプライアンス研修の1つめの目的は、コンプライアンスの基本概念を理解することです。コンプラインスが企業にとって重大な課題となっている現代では、ニュースなどでコンプライアンスという言葉を耳にすることが多く、何となくイメージは持っていても、きちんと学んだことがない、正確に理解できているか不安だという方も多いのではないでしょうか。そのため、まずはコンプライアンスという言葉の意味を正しく理解することが、コンプライアンス研修の最初の目的となります。さらに、コンプライアンスの沿革やコンプライアンスの対象に加えて、CSR、コーポレート・ガバナンス、内部統制、リスクマネジメントなどのコンプライアンスに関連する概念についても合わせて理解しておくとよいでしょう。

コンプライアンスの意味については、コンプライアンスとはのページで詳しく解説しております。

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2.コンプライアンスの対象を学ぶ

コンプライアンス研修の2つめの目的は、コンプライアンスの対象を学ぶことです。まずは、何を遵守すべきなのかを正確に知らなければ、コンプライアンスを確保することはできません。コンプライアンスにおいて遵守すべき対象には、法令、社内規程、社会的規範などがあります。

(1)法令

コンプライアンスにおいてまず遵守すべき対象となるのが法令です。法令には、国会が 立法する「法律」と、法律に基づいて行政機関が制定する「命令」があります。命令には、内閣が制定する「政令」、内閣 総理大臣が制定する「内閣府令」、各省大臣が発する「省令」や「規則」などがあります。また、コンプライアンスとの関係では、地方公共団体が制定する「条例」や「規則」等も、遵守すべき「法令」に含めることができるでしょう。

企業のコンプライアンスにおいて遵守が求められる法令は、会社法、労働法、独占禁止法・下請法、知的財産法、個人情報保護法など多岐にわたっています。これらの法令を正確に理解するためには専門的な知識が必要とされますので、弁護士などの外部の専門家に講師を依頼することが有効です。

(2)社内規程・企業内のルール

また、コンプライアンスにおいて遵守すべき対象には、企業内の様々なルールも含まれます。企業には、定款や就業規則をはじめ、組織、人事、経理、文書管理や情報セキュリティなどに関する各種の社内規程が存在します。せっかくこれらのルールを作成しても、十分に周知徹底することができなければ、コンプライアンスを確保することはできません。コンプライアンス研修は、企業内のルールを従業員に徹底する機会であるといえます。

一方、企業内のルールについては、法令の改正や社会の変化に対応できるように定期的な見直しを行うことが大切です。外部の講師によるコンプライアンス研修は法令の改正や社会の変化を知るための機会となります。

(3)社会的規範・一般常識

さらに、近年では、コンプライアンスにおいて遵守すべき対象として、社会的規範や一般常識等も含める考え方が一般的となっています。コンプライアンスが、しばしば「法令等遵守」と訳される背景には、このような考え方を意識的に明らかにしようという視点があるといえます。特に、インターネットやSNSが普及した現代では、インターネット・SNSを通じて個人が簡単に情報を発信できるようになったことにより、社会的規範や一般上意識に違反する行為について急速に情報が拡散されたり、大きな批判を受けることが多くなっています。また、社会的規範の内容自体が、メディアによる報道や、インターネット・SNSを通じて形成・変化する場合もあることに注意が必要です。

同じ企業内や業界内のみで仕事をしていると、自分達の常識が社会の常識とかけ離れてしまう場合もあります。外部の講師によるコンプライアンス研修は、自分達の常識が社会の常識とかけ離れてしまっていないかを確認するための機会となります。

3.他社のコンプライアンス違反事例を学ぶ

コンプライアンス研修の3つめの目的は、他社の不祥事事例を学ぶことです。法令、社内規程、社会的規範などの学習は抽象的になってしまいがちなので、実際に発生した他社のコンプライアンス違反事例を学ぶことにより、具体的なイメージを持つことができます。特に、自社と同じ業種・業界の企業や、自社とビジネスモデルが類似する企業の事例は参考になります。他社のコンプライアンス違反事例を学ぶ際には、違反の内容だけでなく、違反が発生した背景や原因を分析することにより、自社で同様のコンプライアンス違反が発生するのを防止することが期待できます。また、違反の結果、どのような損害が発生したか、関係者がどのような処分を受けたかも確認しておくとよいでしょう。

なお、他社の事例を学ぶ際に注意しなければならないのが、他社がやっているからといってコンプライアンス上、許されるとは限らないということです。例えば、入札談合の事例などでは、他社がやっているからといって自社も同様の行為を行ってしまった結果、他社と自社を含む多数の企業が根こそぎ摘発を受ける場合も少なくありません。コンプライアンス上、許されるかどうかは、あくまでも法令に従って慎重に判断しなければなりません。

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4.コンプライアンス違反のリスクを予測する

コンプライアンス研修の4つめの目的は、コンプライアンス違反発生時のリスクを予測することです。法令や企業内のルール、他社のコンプライアンス違反事例などを踏まえて、それらについて自社の現状がどのようになっているのかを認識する必要があります。その上で、自社でどのようなコンプライアンス違反が起こりうるのか、また、その可能性はどれくらいあるのかを予測します。さらに、法令の罰則規定や他社のコンプライアンス違反事例などを踏まえて、実際にコンプライアンス違反が発生した場合、自社や従業員にどのような損害が生じるのかを評価しておくことも重要です。特に、近年では、1人の従業員によるSNSや動画サイトへの不適切投稿が、企業全体に甚大な損害を与えるケースも増えているため、注意が必要です。

5.コンプライアンス違反の防止体制を整備する

コンプライアンス研修の5つめの目的は、コンプライアンス違反の防止体制を整備することです。自社でどのようなコンプライアンス違反が起こりうるのか、また、その可能性はどれくらいあるのかについての予測を踏まえて、それらのコンプライアンス違反を防止するためにどうしたらよいかを検討する必要があります。例えば、コンプライアンス研修の参加者によるグループ討議を通じて、現場における問題点や改善策を洗い出し、それを社内のマニュアルに反映することなどが考えられます。

6.コンプライアンス違反発生時の対応を準備する

コンプライアンス研修の6つめの目的は、コンプライアンス違反の発生時の対応を準備することです。いかにコンプライアンス違反の防止体制を整備していたとしても、コンプライアンス違反が発生する可能性は完全には否定できません。そのような場合に慌てることなく、迅速かつ適切な対応ができるようにしておかなければなりません。実際にコンプライアンス違反が発生した場合にどのような損害が生じるのかについての評価を踏まえて、それらの損害を軽減するためのしておく必要があります。例えば、コンプライアンス研修の参加者に対して、コンプライアンス違反が発生した場合を想定した対応の訓練を実施することなどが考えられます。

7.従業員のコンプライアンス意識を高める

コンプライアンス研修の7つめの目的は、従業員のコンプライアンス意識を高めることです。いかに法令や企業内のルール、他社のコンプライアンス違反事例を学び、コンプライアンス違反のリスクマネジメントを行ったとしたとしても、従業員のコンプライアンス意識が高まらなければ意味がありません。従業員のコンプライアンス意識を高めることは、コンプライアンス研修の最大の目的であるといえます。各従業員が自らコンプライアンスの重要性を認識し、率先してコンプライアンスに取り組むようになることが理想的であるといえます。

一方、定期的にコンプライアンス研修を実施していても、従業員のコンプライアンス意識がなかなか高まるとは限りません。特に、社内の従業員が講師を務める集合研修では、研修内容がマンネリ化してしまい、社員が緊張感やモチベーションを高めにくい場合もあります。コンプライアンス研修のテーマや実施方法を工夫することに加えて、外部講師の研修を依頼することも選択肢の一つになります。

コンプライアンス研修の7つのタイミング

コンプライアンス研修の目的は、コンプライアンス研修をどのようなタイミングで実施するかによっても変わってきます。大きく分けると、コンプライアンス研修には、何らかのきっかけにより実施する場合と定期的に実施する場合があります。何らかのきっかけによりコンプライアンス研修を実施する場合としては、通常、以下のようなタイミングが考えられます。

1.自社でコンプライアンス違反が発生したとき

1つめは、自社で実際にコンプライアンス違反が発生してしまったときです。この場合、コンプライアンス研修の主な目的は、自社のコンプライアンス違反の事実関係、原因や背景を分析し、それを他の社員にも共有することで再発防止を徹底することになります。また、関連する法令や社内規定、他社の類似事例などについても、合わせて学習の機会を設ける必要があります。

2.他社でコンプライアンス違反が発生したとき

2つめは、他社でコンプライアンス違反が発生したときです。他社のコンプライアンス違反については、報道や他社による発表などによって知ることが一般的です。自社と同じ業界の同業他社はもちろん、別の業界であっても、自社で同様のコンプライアンス違反が発生する可能性がある場合は、ただちに対応を行う必要があります。この場合、コンプライアンス研修の主な目的は、他社のコンプライアンス違反と同様の違反が自社で発生しないように徹底することになります。

3.法令の制定・改正があったとき

3つめは、自社に影響を与える法令の制定・改正があったときです。この場合、コンプライアンス研修の主な目的は、新しく制定された法令や既存の法令の改正点を学習するとともに、それらが自社に具体的にどのような影響を与えることになるのか、社員は具体的にどのような対応を行えばよいかを検討することになります。

4.社内規程の作成・改訂を行ったとき

4つめは、自社の社内規程の作成・改訂を行ったときです。この場合、コンプライアンス研修の主な目的は、新しい社内規程を周知するとともに、社員は具体的にどのような対応を行えばよいかを検討することになります。

5.社員の採用や昇格を行ったとき

5つめは、社員の採用や昇格を行ったときです。この場合、コンプライアンス研修の主な目的は、新しく採用や昇格の対象となった社員を対象に業務に必要な法令や社内規程の周知することになります。例えば、役員への就任者には、会社法上の役員の義務と責任、新入社員には、社会人として遵守すべきコンプライアンスの基礎知識など、役職に応じた研修テーマを設定するとよいでしょう。

6.組織の再編・変更を行ったとき

6つめは、M&Aなどにより組織の再編や変更を行ったときです。この場合、コンプライアンス研修の主な目的は、社員のコンプライアンス意識の統一をはかるとともに、新たな組織体制に適したコンプライアンス体制を構築することになります。コンプライアンス研修において、異なる会社や部署の出身者が一緒にグループ討議や訓練に取り組む機会を設けるとよいでしょう。

7.海外進出を行ったとき

7つめは、海外進出を行ったときです。海外に支店・駐在所を開設した場合、海外子会社を設立した場合、クロスボーダーのM&Aを行った場合などがあります。この場合、コンプライアンス研修の主な目的は、海外法コンプライアンスを含めたコンプライアンス体制を整備することになります。特に、国によっては日本とは従業員のコンプライアンス意識が大きく異なる場合や、日本よりも厳格な法規制が課されている場合もあるので最大限の注意が必要です。

定期的なコンプライアンス研修

以上のような場合のほか、多くの企業では、コンプライアンス研修を定期的に実施しています。この場合、コンプライアンス研修の主な目的は、従業員のコンプライアンス意識を高めるとともに、コンプライアンス違反を防止することになります。定期的なコンプライアンス研修では、コンプライアンス違反が発生するリスクに応じて優先順位をつけながら、全ての社員がコンプライアンス研修を受講できるようにすることが必要です。

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