コンプライアンス研修の費用・予算の決め方 費用の相場、予算確保のポイント

コンプライアンス予算

コンプライアンス研修の費用・予算の決め方

コンプライアンス研修には、会場費用、研修テキスト・教材・費用の作成費用、参加者の交通費や宿泊費、講師費用などが必要であり、これらの各項目に基づいて予算を決める必要があります。ここでは、コンプライアンス研修の費用の相場と予算を確保するためのポイントを解説します。

コンプライアンス研修の費用の相場

コンプライアンス研修の費用の相場は、研修の形式、研修カリキュラム、参加者の人数、講師の専門性によって大きく異なります。以下では、コンプライアンス研修の費用に影響を与える要素を見ていきます。

1. 研修の形式

コンプライアンス研修の費用に影響を与える最初の要素は、研修の形式です。会議室などにおける集合研修の場合は、参加者や講師の交通費が発生します。また、社外の会議室を利用する場合には、利用料がかかります。

一方、オンライン研修の場合は、Web会議システムや参加者のPC環境の準備が必要となりますが、普段から使用しているシステムを利用する場合は、特に費用は発生しないため、相場は集合研修の場合より低額になります。

2. 研修カリキュラム

次に、研修カリキュラムもコンプライアンス研修の費用に影響を与える大きな要素となります。多くの企業に当てはまる一般的・基礎的な内容の研修の場合は、費用の相場は低額になる傾向があります。一方、法令の解説などの専門的な内容や自社に合わせてカスタマイズした内容の研修の場合は、費用の相場は高額になる傾向があります。

また、コンプライアンス研修の時間が長いほど、講師の費用や研修テキスト・教材・資料の準備に必要な費用が大きくなる傾向があります。さらに、講義のみの研修に比べて、グループワークやアンケートを含む研修の方が、費用が高くなる傾向があります。

3. 研修参加者の人数

研修参加者の人数によって研修の費用が決まる場合は、研修参加者の人数が多いほど費用が大きくなります。公開講座のコンプライアンス研修では、このような場合が多いでしょう。

一方、研修参加者の人数と研修の費用が必ずしも比例しない場合もあります。特に社内の多人数の参加者を対象とする講義形式の研修では、このような場合もあります。

4. 講師の専門性

最後に、講師の専門性もコンプライアンス研修の費用に影響を与える大きな要素です。弁護士やコンサルタントなど専門的な資格や経験を有する講師に依頼する場合、講師費用は大きくなる傾向があります。もっとも、専門性を有しない講師に依頼した場合、研修の効果があがらず研修自体が無駄になってしまうおそれもあるので、慎重に検討する必要があります。

コンプライアンス予算確保のポイント

「研修をしたいが予算がない」「もっと売上につながることに費用をかけたい」という声をよく聞きます。ここでは、コンプライアンス予算を確保するためのポイントについて解説します。

1. 長期的で幅広い視点

コンプライアンスは、企業の売上には短期的には直結しないことから、なるべく費用をかけたくない、とにかく低額で済ませたいと考えてしまいがちです。

しかし、コンプライアンスの予算を決定する際には、短期的な売上のみの視点ではなく、より長期的で幅広い視点から費用対効果を検討することが必要です。

2. 求められるコンプライアンスの水準

コンプライアンス研修の費用・予算を決める際は、求められるコンプライアンスの水準が基準となります。コンプライアンスに取り組む際には、費用・予算がこれだけしかないので、ここまでしか対応しないという姿勢ではなく、最初に求められるコンプライアンスの水準を把握した上で、その水準を満たすように費用・予算を確保するという姿勢が必要です。

自社に求められるコンプライアンスの水準については、法令はもちろん、他社事例などを検討して把握するようにするとよいでしょう。

3. 自社のコンプライアンス・リスク

次に考慮しなければならないのが、自社のコンプライアンス・リスクです。コンプライアンス体制に不備があり、重大な違反が発生した場合、企業は多額の罰金や制裁金を負ったり、レピュテーションダメージを受けることにより、事業の継続自体が難しくなることも珍しくありません。また、役員・従業員個人も退職を余儀なくされたり、刑事責任を科される場合もあります。

コンプライアンス研修の費用・予算を検討する際は、自社にコンプライアンス違反が発生する可能性と、発生した場合のダメージの大きさをシミュレーションしてみるとよいでしょう。

4. コンプライアンスと企業価値

コンプライアンス研修の費用・予算を決める際は、リスクだけでなく、コンプライアンスに取り組むことによるメリットも考慮する必要があります。現代では、企業にとって、コンプライアンスに取り組むことは、ブランド価値や評判を高めるための重要な要素となっています。例えば、M&Aにおいて、対象企業のコンプライアンス違反の有無は、M&A自体の成否や取引価格に大きく影響します。

コンプライアンス研修の費用・予算を検討する際は、短期的な視点のみにとらわれるのではなく、長期的な視野から企業価値の向上につながるものであるということを意識するとよいでしょう。

5. 役員・従業員個人のメリット

コンプライアンス研修は、企業だけでなく、役員・従業員個人にとってもメリットとなります。コンプライアンス違反かもしれないという不安を抱えながら業務を行うことは、役員・従業員にとって大きなストレスです。コンプライアンス研修を通じて正しい知識や考え方を身に付けることにより、自身を持って業務に取り組めるようになることは、役員・従業員にとって大きなメリットであると言えます。また、コンプライアンスの重要性が高まる中、コンプライアンス研修は、役員・従業員にとって貴重なスキルアップの機会であるといえます。

6. コンプライアンス研修の費用対効果

以上の項目を踏まえて、コンプライアンス研修の費用対効果を分析します。求められるコンプライアンス水準を達成するために行うべきこと、自社のコンプライアンス・リスクのシミュレーション、企業価値の向上や役員・従業員個人のメリット等を考慮し、どこまで費用をかけるべきかを検討するとよいでしょう。

その上で、会場費用、研修テキスト・教材・費用の作成費用、参加者の交通費や宿泊費、講師費用などの各項目についても決定していきましょう。

7. 経営陣・他部門との交渉・調整

法務・コンプライアンス部門では、コンプライアンスの重要性を理解していても、経営陣や他部門の理解をなかなか得られない場合もあります。このような場合、コンプライアンス研修の費用・予算の獲得のために、経営陣・他部門との交渉・調整が必要となるケースもあります。上記の項目を元に、会議やプレゼンテーションを行うとよいでしょう。

ただし、求められるコンプライアンスの水準や自社のコンプライアンス・リスクを正確に把握したり、経営者や他部門との交渉・調整を行うことは、社内の法務・コンプライアンス部門だけでは難しい場合もあり、このような場合には、外部の専門家に相談することも有効な方法となります。株式会社アクテジィブ・コンサルティングでは、コンプライアンス予算コンサルティングを実施しております。

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