31.メールで発注を受けたが、契約書を作成していない
民法では、契約は買い手と売り手の合意で成立します。したがって、トラブルが発生した場合には、合意を証明する必要があります。メールもないよりはましですが、常に契約書を交わすようにしましょう。
32.見積書をもらったが印鑑を確認しなかった
基本的には印鑑を押していなくても、見積書は有効です。ただし、実際には、相手が印鑑を押していないから無効だと主張する可能性はゼロとはいえません。トラブル予防の観点からは、捺印した見積書をもらうようにしましょう。
33.顧客から同僚宛の請求書在中表示の手紙を開封した
一般には、他人の手紙を無断で開封すると、信書開封罪に問われます。しかし、包括的承認といって、この場合は同僚も仕事上、当然に承認すると考えられるので、開封しても罪にならない可能性が高いです。
34.古い領収書の日付をわからないように書き換えた
領収書の日付を勝手に書き換えたら、私文書変造罪に該当します。さらに金額も書き換えて、経理から本来受け取る金額より多く支払を受けたら、詐欺罪となり、懲戒処分を受ける可能性が高いといえます。
35.回収した売掛金を会社に入金するのを遅らせ私的に使用した
回収した売掛金の入金を意図的に遅らせて、私的に使用した場合には、業務上横領罪となります。業務上横領罪は、単純横領罪に比べて信頼関係を裏切る悪質性が強いため、単純横領罪よりも重く罰せられます。
36.接待を受けたので取引条件を甘くした
取引条件を甘くしたということは、接待で自分が利益を得た見返りに、会社に損害を与えたことになるので、背任罪になる可能性が高いです。会社に対しては、損害賠償責任を負うことになります。
37.過剰在庫の商品を人気商品とセットで販売した
一見すると正当な取引に見えますが、これは、いわゆる抱き合わせ販売となり、独占禁止法違反となります。抱き合わせ販売とは、人気商品を販売する代わりに、不人気商品も強制的に購入させることです。
38.ブランド牛が足りないので、他の牛肉を混ぜて販売した
大半はブランド牛なので、ごくわずかだけ他の牛肉を混ぜて販売しても誰もわからないと思っても、これは明らかに違法です。食品表示に関する法令に違反するほか、取引先を騙したことになるので、詐欺罪になる可能性もあります。
39.競合製品に負けないために性能を誇大表示した
商品の性能の表示を偽って、実際よりも優れていると思い込ませることは、景品表示法違反にあたります。表示と異なる商品を渡したことになり、契約違反として、買い手から損害賠償を求められることもあります。
40.上司から消費期限の表示を貼り替えるように言われた
科学的な根拠があって貼り替えたのであれば問題とはなりませんが、科学的な根拠がないのに不適正に貼り替えたのなら違法になります。上司から命じられたからという言い訳は、通用しません。