か行のコンプライアンス用語

か行のコンプライアンス用語

解雇

使用者が、労働者との労働契約を一方的に解約することをいう。解雇は、賃金で生活する労働者にとって死活問題 であることから、労働者を保護するため、労働基準法、労働契約法、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法等の 法律や判例により、様々な制限が課されている。

会社法

商法の会社に関する規定を取り出し、有限会社法や商法特例法等も整理統合して、平成17年に制定された法律。 会社の設立、解散、株式、機関、社債、組織再編などについて定めている。すべての大会社と委員会設置会社に、 内部統制システムの整備を義務付けるとともに、取締役、監査役の責任、株主代表訴訟等について規定しており、 企業のコンプライアンス上、基本となる法律である。

解除

契約が有効に成立した後に、一方の当事者の意思表示によって契約を解消することをいう。また、この意思表示を行 う権利のことを「解除権」といい、解除には、当事者が契約によって解除権を定めておく「約定解除」と、法律の規定に よって解除権が定められている「法定解除」がある。さらに、法定解除は、債務不履行に基づく解除と、各契約類型 ごとに定められた解除に分けられる。

家電リサイクル法

正式名称を「特定家庭用機器再商品化法」といい、家電製品のリサイクルを目的に、平成10年に制定された法律。 エアコン、ブラウン管テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機、液晶テレビ・プラズマテレビ、衣類乾燥機を対象機器として、 小売業者による引き取り、製造業者による再商品化、消費者の費用負担などを義務付けている。

株主代表訴訟

株主が、株式会社のために、取締役、監査役、執行役などの役員に対して提起する責任追及等の訴えのことをいう。 株主による会社の業務執行に対する監督の手段として、コーポレートガバナンスの観点からも重要な役割を果たして いるといえるが、会社の内紛や個人的な利益の追求のために利用されるおそれもある。

カルテル

市場において同一または類似の業種に属する複数の企業が、競争を避けるために、協調して価格や生産数、販路な どを取りきめること。独占禁止法により、原則として禁止されている。

管轄

特定の事件について、どの裁判所が裁判を行うことができるかという定めのことをいう。民事裁判の管轄については、 民事訴訟法に規定されている。遠隔地での裁判は、時間的・経済的な負担が大きいことから、実務上は、契約書に おいて合意管轄を定める等の対応が行われている。

環境影響評価法

環境基本法が環境影響評価(環境アセスメント)の推進を定めたことを受けて、平成9年に制定された法律で、 「環境アセス法」ともいう。環境アセスメントの対象となる事業として、道路や鉄道、発電所の建設などをあげ、アセスメント 方法の決定から、アセスメントの実施、アセスメント結果の事業への反映までの手続きを定めている。

環境基本法

環境法分野の基本法として、平成5年に制定された法律。環境の保全について、基本理念と、国、地方公共団体、 事業者、国民それぞれの責務、基本となる施策を定めている。環境分野におけるコンプライアンスやCSRを考える 際に、基本となる法律である。

環境経営

企業の経営において、環境との調和を重視する考え方である。環境法分野の法令等遵守はもちろん、ISO14001 の認証の取得や、環境行動計画、環境経営報告書の策定、環境マネジメントシステムの構築、CO2の削減など 様々な手法が活用されている。

環境法

環境の保全をはかることを目的とする法の総称。環境基本法のもと、各分野ごとに、数多くの法律が存在している。 公害・環境汚染防止の分野では、大気汚染防止法、水質汚濁防止法が、地球温暖化対策の分野では、省エネ法、 温暖化対策推進法が、廃棄物処理・リサイクルの分野では、廃棄物処理法、循環型社会形成推進基本法、家電リサ イクル法、食品リサイクル法、容器包装リサイクル法等が代表的な法律である。

監査役

会社の役員の一つ。株主総会の決議によって選任され、取締役の職務の執行を監査する。いつでも、取締役や従業 員に対して報告を求めたり、業務及び財産の状況を調査することができ、法令や定款等に違反する取締役の行為を 差し止めることができるなど、コーポレートガバナンスにおいて重要な役割を果たすことが期待されている。

強行規定

公の秩序に関する規定のことをいい、これに反する規定は無効とされる。契約書の条項を作成する際には、関連する 法律の規定が強行規定か任意規定かを調査した上で、違法・無効となることがないように注意しなければならない。 強行規定と任意規定の区別は、法律の条文を見ても、一部の規定を除いて明らかではないことから、判例を参照したり、 解釈によって判断する必要がある。

競業避止義務

特定の事業と同一又は同種の事業を行なわないという義務のことをいう。競業避止義務は、商法及び会社法上、支 配人、代理商、事業を譲渡した会社等について課されているほか、企業と従業員の間の契約によって課される場合 もある。

京都議定書

平成9年、京都で開催された気候変動に関する国際連合枠組条約の第3回締約国会議(COP3)において採択され た議定書。先進国の温室効果ガスの排出量削減について法的拘束力のある数値目標を掲げており、2008年から 2012年までの期間で、日本は、1990年比で6%の削減義務を負っている。

行政法

行政に関する法の総称。憲法や民法等とは異なり、行政法という単一の法典が存在するわけではない。行政法は、 行政と私人の関係を定める行政作用法、行政による私人の権利利益の侵害の救済を定める行政救済法、行政機関 について定める行政組織法に分類される。食品衛生法や薬事法など、業法と呼ばれる法律の多くは、行政作用法に 属することが多いため、国や公共団体はもとより、企業のコンプライアンス上も、行政法への理解は不可欠である。

金融商品取引法

旧証券取引法の規定を拡充するとともに、金融先物取引法等の関連する法律を統合して、平成18年に制定された 法律。国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資することを目的とし、企業内容等の開示の制度の整備、金融 商品取引業を行う者に関する必要な事項の定め、金融商品取引所の適切な運営の確保等を柱とする。財務報告に 係る内部統制について、内部統制報告書の提出を義務付けている。

刑事訴訟法

六法の一つ。刑事裁判の手続きについて定める法律。基本的人権の保障と真実の発見、刑罰法令の適用かつ迅速 な適用を目的とする。刑事裁判の対象となるのは、犯罪に対して刑罰を科す刑事事件である。刑事裁判について は、平成21年5月から裁判員制度が開始された。

景品表示法

正式名称を「不当景品類及び不当表示防止法」といい、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示に よる顧客の誘因を防止するため、独占禁止法の特例を定めている。景品類の価額、種類、提供の方法等の制限、 景品類の提供の禁止、不当な表示の禁止等のほか、公正競争規約についても定めをおいている。

刑法

六法の一つ。犯罪及びこれに対する刑罰を定める法律。犯罪の一般的な成立要件や刑罰の種類等について規定す る「総則」と、各種の犯罪について規定する「罪(各則)」からなる。刑法に規定された各種の犯罪のうち、企業のコン プライアンスとの関係では、窃盗罪、横領罪、背任罪、業務上過失致死傷罪、贈賄罪等が問題となることが多い。

憲法

六法の一つ。国の最高法規で、基本的人権や国の統治機構について定めている。企業活動との関係においては、 性別による差別の禁止、許認可や広告規制等の関係で問題となることがある。

公益通報者保護法

公益通報をしたことを理由とする公益通報者の解雇の無効や、不利益取扱いの禁止等を定めることにより、公益通 報者の保護を図ることを目的とする法律。ただし、公益通報者として保護されるためには、通報の対象となる事実や、 通報先等について一定の要件を満たす必要があることに注意しなければならない。

個人情報保護法

生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識 別することができるものを、個人情報と定義した上で、その保護を定める法律。個人情報取扱事業者は、個人情報 の取得に際して、利用目的の通知又は公表を行うことや、安全管理のために必要かつ適切な措置を講じることなど が義務づけられている。

コーポレートガバナンス

「企業統治」とも訳され、会社の経営体制のあり方を指す。主に公開会社における経営者支配の問題にどのように対 処するかをめぐって、経営の効率性の確保とコンプライアンスの確保という2つの観点から議論されてきた。監査役 によるチェックや株主代表訴訟、内部統制の整備は、コーポレートガバナンスの一環であるといえる。

コンテンツ

「中身・内容」の意味であり、WEBサイト上の文章や画像などのことを指す。WEBサイトでは、大量の情報を容易に 複製することが可能であるため、著作権法による保護が特に問題となりやすいという特徴がある。

コンプライアンス用語集-50音・アルファベット順索引

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