コンプライアンス事例集2 業務命令・ハラスメント編

コンプライアンス事例集

11.残業の指示を無視しても大丈夫か

就業規則に残業の規定があるか、会社と労働組合等との間に残業に関する取り決めがある場合には、上司からの残業指示に対しては従う義務があります。無視すると業務命令違反となり懲戒の対象になります。

12.社外研修は残業として扱われるのか

上司の指示によって参加した社外研修は、当然に残業として扱われることになります。したがって、もし拒否すれば、業務命令違反となります。本人の自由意思で参加した社外研修であれば、残業になりません。

13.健康診断を受けるように指示されたが受けなかった

会社には年に1回は社員に健康診断を受けさせる義務があります。これを破ると、罰金の対象となります。社員にも健康診断を受ける義務があります。社員は破っても法令上の罰則規定はありませんが、就業規則や業務命令への違反を問われる可能性はあります。

14.接待の席に出るように言われたが断った

上司の指示があり、仕事上必要だとみなされる接待であれば、残業として取り扱われます。したがって、断ると、業務命令違反となるため、懲戒処分の対象となります。

15.子供が小さいのに海外転勤を命じられた

会社には人事権があり、基本的には会社が必要な場所で働くように命じることができます。それゆえ拒否できません。ただし、不必要な転勤や、子育てや介護で重大な支障があれば、拒否できる可能性があります。

16.同僚に断られても、何度も交際を迫った

同僚が断り、嫌がっているにもかかわらず、何度も交際を迫るような行為は、セクハラとみなされます。仕事をするために会社に来ているのに、たまたま近くにいるという状況を利用してはいけません。

17.冗談を言ったつもりなのに、セクハラと言われた

本人は冗談のつもりでも、それを聞いた方が性的な嫌がらせと感じるのであれば、セクハラと認定される可能性が高いと考えられます。常に、相手の立場に立って、言動に注意することが大切です。

18.部下のために叱ったのにパワハラになるのか

自分では部下のためと思って、つい大声で何度も怒鳴りつけたら、部下は委縮して、パワハラを受けていると言い出した。パワハラかどうかを上司の主観で判断してはいけません。部下がどう感じるかです。

19.大声を出すわけではないが、執拗に人格を傷つける

大声で怒鳴りつけるだけが、パワハラになるわけではありません。部下がノイローゼになったり、うつ状態になったりするまで、ねちねちと執拗に人格を傷つけているような状況もパワハラとみなされます。

20.セクハラ、パワハラを受けたらどうすればよいのか

上司からセクハラ、パワハラを受けたら、上司の雇い主である会社も、その責任を負います。したがって、会社は相談窓口を明確にしておき、訴えがあれば、調査して、事実ならば処分する義務があります。

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