コンプライアンス事例集5 不正・贈収賄編

コンプライアンス事例集

41.通勤手当をもらいながら、自転車で通勤した

通勤手当は、社員が通勤するための交通費を支給したものです。したがって、交通費を使わないのであれば、不当利益となり、返却しなければなりません。懲戒処分の対象となる可能性もあります。

42.出張で支給された切符を売り、友人の車に同乗した

切符は自分のものではなく、仕事上預かったものとみなされます。したがって、事前に了解を得ることなく、 他人のものを勝手に売ってしまったのですから、横領罪になる可能性があります。

43.私物の携帯ラジオに会社の備品の電池を入れて使った

会社の備品である電池は会社の所有物ですから、自分の私物である携帯ラジオに入れたら、窃盗罪になります。窃盗罪の成否に金額の大小は関係ないので、たかが電池の1~2本くらいと思ってはいけません。

44.同僚との飲食を会社には接待として報告した

会社に虚偽の報告をして、本来は支払われないはずの金銭を手にいれたのですから、詐欺罪が適用されます。詐欺罪の成否には金額の多い少ないは関係ないので、少額だから大丈夫だろうと甘くみてはいけません。

45.得意先に配るギフトカードが余ったので使った

得意先に渡すはずのギフトカードが余ったからといって、もし自分が使ってしまったら、業務上横領罪は、単純横領罪に比べて信頼関係を裏切る悪質性が強いため、単純横領罪よりも重く罰せられます。

46.他社の友人から内部情報を得て株式投資で利益をあげた

他社に勤務している友人から、未発表のM&Aなどの内部情報を得て、その情報に基づいた株式投資で利益をあげたら、インサイダー取引となります。情報を渡した友人も、情報を得た本人も罪に問われます。

47.ギャンブルにはまってしまい自己破産をした

自己破産が発覚しても、それだけでは懲戒処分を受けることはありません。もっとも、証券外務員や警備員などの資格を要する仕事をしており、自己破産により資格を失う場合には、解雇される可能性があります。

48.公務員にお世話になったので豪華な接待をした

公務員は国家公務員倫理法で接待を禁止されているので、接待してはいけません。もし接待によって利害関係が生じると、接待した側は贈賄罪、接待を受けた側は収賄罪に問われることになります。

49.上司が公務員に賄賂を渡しているが通報しなかった

会社が違法行為をしているのを知っていながら警察に通報しなくても、それだけでは罪に問われることはありません。なお、公益通報者保護法の要件を満たしている場合は、もし通報しても会社からの解雇などの不利益処分から守られます。

50.上司から談合の書類を処分するように命じられた

談合は、刑法の談合罪や独占禁止法の不当な取引制限に該当します。自分は談合そのものには関わっていなかったとしても、談合の書類と知って処分した場合には、証拠隠滅罪に問われる可能性があります。

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